阿蘇へ移住 そして阿蘇での暮らしを綴る

第二回

ライダーハウス

5月1日になった瞬間、談話室の照明が消え真っ暗に、そしてその場にいる全員から“ハピィバースデー~”の歌声が。常連が中心となり宿泊者全員の寄せ書きとケーキで祝いをしてくれる私の誕生日。毎年その趣向が変わり、毎年私がびっくり!何よりこの宿をやって良かったと心から思う感無量の日である。4年前に阿蘇へ移住してきた当時には考えられない事である。

阿蘇へ移住して来た当時、知り合いはいない。見知らぬ大地でいかに自分を受け入れてもらうか。「どんな場面でも双方が納得しない限り、どんな良い言葉も、企画も形にならない」阿蘇へ来て一番大切な事、それは地元(阿蘇)に受け入れてもらう事。

全国的に認知ない施設をいかに理解頂くか、まず企画書を作成。内容は旅行関係の仕事等で阿蘇を訪れた際の旅行スタイル、それは点と点でしかない阿蘇は、魅力を十分に感じる事はなかった過去。逆に自分が旅で気づいた情報から大地の魅力を知る旅のスタイル。その魅力を伝える拠点として必要な施設がライダーハウス。この企画を街づくりの観点から行政へ持っていく、結果的に民間で旅館経営者の田上明氏に話しが伝わり、そのオーナーの懐の広さで阿蘇を訪れ、瞬く間に阿蘇ライダーハウス設立に至る。

この施設はホテル、旅館とかなり異なる独特のスタイルの宿、それを訪れた人全てに認識してもらうため一人20分の受付説明を費やす。内容は館内のルールは勿論、地元の理解あっての施設だと言う認識。騒音、近所迷惑にならない行動を訪れた全員が持つ内容。更に私の手作りマップを元に説明、そのマップには内牧温泉街の温泉、食事処、スーパーなどの情報を掲載しており、それを元に街を歩いて散策する形をつくる。これは、阿蘇ライダーハウスは食事、温泉、ジュース一本販売しない寝場所のみ提供するスタイルであり、ここにないのではなく、街に全てがあると言う観点。つまり訪れた人は、自炊場があるため自炊も可能、買出しをしてライダーハウスで食べるも良し、外食する事も全て好きな形を選ぶ事ができる。

そのため、情報を持って自然に街を歩く事になり、バイク、車では見えない街の魅力が見え、そこはテーマパークへと変貌するのだ。何より人とのふれあい、地元との会話から「楽しい、良い街ですね」との言葉が返ってくる。その証に阿蘇ライダーハウスは開設から4年を迎える現在、これまで訪れた人数は延べ5000人、その内連泊者が7割、リピーター数3割を超える。この数字の意味は、誰もが最初は1泊の気持ちで訪れるが、情報を提供する事により連泊をして阿蘇をより知る事に。そして、次回休みが取れたら又阿蘇を訪れるその数字である。

このリピーターとは、阿蘇全体のリピーター。阿蘇に次回来る機会が家族、カップルで訪れた際はホテル旅館へと泊まる、つまり阿蘇ライダーハウスのみの満足度に留まらず、阿蘇全体の満足度を上げる事、それが阿蘇ライダーハウス本当のメリット、阿蘇のファン作りである。

これが、私が4年前企画書を持って行政を訪れた、ギブアンドテイクの実践であり、阿蘇ライダーハウスは毎年全てのデータを行政、各団体に提出、全体にその示す意味を投げかけている。一軒のもてなしではなく、各施設で訪れた方に情報を提供する事の大切さ。街全体で実践してこそ本当の阿蘇ファンづくりができるのである。

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